連続高速運転でイカレてしまったエンジン。
それでも10年近く元気に働いてくれたから感謝感謝です♪
何故イカレたのかはハッキリとは解りませんが、
恐らく磨耗の限界を超えてしまったのと、
オイルポンプの老朽化のダブルパンチかな?と思っています。
まあ考えていても始まらないので、
心機一転新たなエンジンの製作に取り掛かります!
幸いな事に(準備がいい?)予備のエンジンを1基寄せてあったので、
それを上手く活用して使える部分は大いに活用をし、
ダメな部分はNEW PARTSでリニューアル致しました♪
壊れてしまったからといって、スペックを下げていたのでは面白くない!
どうせなら前以上にパワーのある乗り易いエンジンを目指さないとねっ♪
レースをやるわけではないので、あくまでもストリートを小気味良く走る! そんな感じで製作致しました。
画像は組立てからの始まりですが、旧PARTSを洗浄・吟味・NewPartsの選択・それに伴うケースやヘッド等の加工等々。
紹介しきれない部分がたくさんあります。
エンジンの着脱や分解等は分解整備に当たり、キチンとした整備工場での整備が義務付けられています。
真似をされても構いませんが、画像で見るほど簡単じゃあないんですよ。
(2006年10月頃の記事の再編集です)
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先ずはバラしてあるうちにやれる事をやっときます。 油温計のセンサーを埋め込むように穴あけ加工です。 |
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そしてタップでネジ切って、シールテープを念のために巻いて取り付けます。 たったコレだけなのに、エンジン組んであると出来ないんです。 |
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ミッション側も準備は重要! クラッチワイヤーなどは非常にやりやすくなってるのでメンテに最適ですよ♪ (可動部の給油も) |
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お次は見慣れぬ工具でしょうが、コレが無いと困るんです。 貧乏だから自分で加工するには無いともう大変。 |
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で、何をする工具かと言うとコレが正解。4ピンの穴を8ピンにするんです。 ハイパフォーマンス系はほとんど8ピンでしょ? |
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でも8つの穴は対称じゃあないんです。 私が穴あけ失敗したんじゃあないんですよ。(ちなみにコレは純正新品のフライホイール♪) |
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いよいよメタル類の下準備デス。 本当はWPC処理などやってもらったほうがいいのですが、貧乏なもんで… |
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その貧乏加工でも綺麗なもんでしょ? 細かいコンパウンドで軽く磨くだけ! |
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こちらはケースとヘッドが加工から上がってきたばかりの画像デス 何処をどうやったかは見れば解るでしょ~ |
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ガイド交換・フェース研磨・シートカット等々… この素晴らしい加工はあのKohey Machine R&Dさんです |
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見れば見るほど惚れ惚れしちゃいます。組むのもったいなくなっちゃったもん♪ コーヘーさん本当にありがとう |
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ポートは新品時のそのまんまですが、 ちょっとだけペーパーがけするとつるつるになっていいかも!? |
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排気ポートはこう見えても指の届くところはつるっつるにしてしまったのだ。 吸気ももっとやればよかったかなぁ… |
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ガイドの頭はカットしないとハイカムハイロッカーだと当たってしまいますよ~ いやぁしかし新品みたい♪ |
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コチラはKohey Machine特製トートバック&ミニバック♪ お洒落でしょ~ お買い物やお出掛けになかなか便利ですよ! ちょっとCMでした^^; |
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やっぱりスムースに回す為にはフルカウンターのクランクシャフトでしょう♪ と言う事でおNEWです |
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アンダーサイズではないSTDサイズのおNEWクランクなのですが、何故縦筋が??? |
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最初はコンロッドにメタルを装着していきます。油を塗るトコ・塗らないトコ ちゃんと解るでしょ? |
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クラッシュハイトありすぎ? しかし一番酷使されるロッドメタルなのに、こんなに薄くていいんだろうか?いつも思います |
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コンロッドを組み付けます。 |
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コンロッドに上下の向きがあるって知ってました?知ってるよねぇ ちゃんとマークあるし… |
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向きに間違いが無ければ規定トルクで締め付けます。 もちろん徐々に締めていってスムースさを確認するのは当たり前 |
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コンロッドが4本付いたら、今度はタイミングギヤ部を組んでいきます。 先ずはNO.3メタルから組んでいきます |
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NO.3メタルを組み込んだら大きいほうのキーを打ち込みます。 |
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キーが付いたらクランクタイミングギヤをはめ込みます。 そのまんまじゃぁすんなり入りませんよ |
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お次はスペーサーです。これは切れ目の無いレーサータイプのスペーサーですね |
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そしてディスビのドライブギヤをはめ込みます。 これもそのままでは入ってくれませんよ |
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ここでスナップリングで固定します。 出来れば中古の開いた奴よりはキチンと止められる新品がいいですね |
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今度はNO.4メタルです。 言わなくても解るでしょうが、キチンとオイルを塗って、スムースに回る事を確認しましょう |
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まあるい傘のような物はオイルディフレクタープレートです。 フロントにオイルシールの付かない空冷VWエンジンには重要なパーツです |
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そしてクランクプーリー用の小さいほうのキーを打ち込んでココは終了♪ |
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終了と思いきや、サンドシールタイプのクランクプーリーを使っている為にスペーサーが更に追加されます |
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クランクが一段落しましたのでシリンダーヘッドの組みつけに入ります。 あぁ飾っておきたい… |
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こんなカンジでバルブスプリングを組んでいきます。 いろんなタイプの工具があるけどね… |
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片側終了♪ あっけないもんです。たかが8バルブ車ですからね。でも侮れないのだよ!! |
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とても10年以上使ったヘッドには見えません。 しかし燃焼室ももうちょっと鏡面にしたほうがよかったなぁ と今更… |
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反対側のヘッドも組み込んで、コレにてヘッドの準備も完了♪ そういえばバルブサイズはIN40mm EX35,5mmです |
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さあ!ココからはいよいよエンジンケースに組み込んでいきます エンジンスタンドは必須アイテムです |
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メインベアリングのドウェルピンをしっかりと挿して、NO.2ベアリングをセットします。 あっリフターもね! |
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もちろん反対側のケースも同様に作業します。仲間外れは駄目よん (穴開きリフターなの解る?) |
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カムメタルも忘れずに装着致しましょう。黒いのはイカ墨ではなくて… |
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いよいよクランクとカムがケースでドッキングします。 合わせマークはしつこいくらい確認しましょう(バルタイは…) |
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ここで一度仮り組みをします。 大きな安全ピン?は重要な役割を担う立派な専用工具です |
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徐々に締めていき、クランクシャフトがスムースに軽~く回る事を確認しながら締めていきます。 |
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仮り組みが無事に出来たら今度は本組みです! 合わせ目に専用のシーラントを塗ります。 |
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カムエンドプラグを忘れずに挟めて、イザ合体!! |
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いくら仮り組みをしているからと言って油断は出来ません。 慎重に締めていきます。 |
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はみ出したシーリング剤は固まる前に綺麗に拭き取っておきましょう。 見た目が大きく変わりますよ♪ |
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ケースが合体終了したらひっくり返して(エンジンスタンドの特権!)下側を組み付けます。 |
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ココのでっかいプラグですが、このように六角レンチで締められる物があるんです! マイボウズさんで売ってますよ~ |
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さて、いつの間にか付いているオイルサンプ用のピックアップチューブ。 ケースあわせてからだとやりにくいでしょ? |
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サンプさんの登場です^^; これで約1.5リッターオイル増量できますし、フィンのお陰で冷却性もUPします |
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ドレインプレートは純正新品です。 歪みのある物使ったって面白くないからね♪ |
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一度スタンドから降ろしてフライホイールを仮り付けします。 何故仮りなのかって? |
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シム無しでスラスト隙間を計測し、目標値を引いて目的のシムの厚さを弾き出します! |
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マイクロメーターでシムの厚さを測って挟み込みます。 確認確認また確認。気が遠くなるよ~ |
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最終確認が取れたらいよいよリアシールを組み付けてフライホイールをセットします。 工具様様だよ~ |
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でもやっぱり最終確認はしたいもの。 結局0.13mmで妥協しました。中古シムはあんまり良くないねぇ |
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ここでまたスタンドに戻ります。この時点でショートブロックは完成となります♪ |
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いよいよ真打ち登場~♪おNEWのシリンダーキットなのさ~ サイズは内緒(ってすぐにバレるか) |
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デッキハイト計測 目視で省略しちゃいました…(一応スペーサー入れて締めてみたのよ) |
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やっぱ新品はいいわぁ~ このクロスハッチホーニングの跡なんて最高♪ |
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ハイ 一気に進んでいますが仕方ないんです。 チン挟んでロッドチューブセットして、ヘッドを締め付けます |
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これで片側終了です。 細かい注意点がいっぱいあったけど、まあ書かなくてもいいでしょう♪ |
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反対側も同様に組み上げます。ココまで来るとさすがに完成が見えてきましたね |
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今回はオイルポンプと一体型のフィルターを取り付けます。取り付け簡単っすよ! |
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チンを忘れずに付けておいて(穴は過去のオイルポンプとの干渉の跡デス)、 クランクFオイルシールを付けます! |
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こんなカンジでプーリーとセットの専用オイルシールを装着します。純正っぽいでしょ? |
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プッシュロッドを挿してロッカーアームをセットします。ここでも注意点があるんだけど… |
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ロッカージオメトリーってこんなんで良かったっけ? まあいっか!1.25ロッカーだって気付いてました? |
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そんなハイロッカーでも純正のバルブカバーが干渉無く取り付け出来ます。 クリップは新品の元気さが命 |
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ココまで来て初めてディスビを取り付けます。 だってロッカー付いてクランクプーリー付かないと上死点解らんでしょ? |
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Fuelポンプのブロックオフプレートとオルタのスタンドを取り付けます。 電磁ポンプだからね |
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寄せてあった新品同様のクラッチを付けます。 ここでもお役立ち工具があると便利なんだぜ~ |
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オイルクーラーと油圧計等のセンサーを付けて、ロングブロック完成です |
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ここからはカバー類を付けていきます。 本当はもっと綺麗にリペイントすれば良かったのだが… |
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オルタをつけたファンシュラウドをセットします。 これがけっこう重くて融通利かずに苦労するんです。 |
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あなたのクルマにサーモスタットはキチンと付いていますか? これかな~り重要なパーツなんですよ!! |
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そのサーモスタットのリンケージは裏側でこんな風に連結されています。 この中にフラップがあるんですよ |
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逆側から見るとこうなってます。エンジン載せちゃうと見えなくなる部分ですからね。 |
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下側のチンも付けつつヒートEXチェンジャーを取り付けします。 ここでも要注意ポイントがありますよ! |
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しつこいですが、 あなたのクルマにヒーターコントロールレバーのリターンスプリング付いていますか? |
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タコ足&マフラーはエンジン載せてから付けるのですが、 ちょっとココで仮付けして記念撮影♪ |
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ココで問題発生!?オイルフィルターとタコ足がずいぶん近いと思いませんか? これは何とかせねば… |
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と言う事でお友達から頂いたアルミ板登場!コイツで遮熱板を作っちゃいましょう TAKEさんありがとう |
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しばし格闘ののち、こんなイビツな形に落ち着きました。 曲げ加工が簡単なアルミ板はもってこいの素材です |
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装着した図がコレ!もっとカッコよく出来れば良かったのだが、まあ自作なんで… |
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で、セットしてみた。けっこうギリギリイッパイ! だからと言って遮熱板は浮かさないと意味ないしね。狭~ |
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こちらは今回よりオイルサンプにお引越しをしてきた油温センサーです。 配線の処理も文句ナシでしょう |
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上にはプレッシャースイッチと油圧計のセンサーが居ます。 配線は後で長さをあわせて加工します。 |
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いつの間にやらキャブまで付いての記念撮影第二弾!! 滅多に無いからね こういうシチュエーション(もちろん仮り組みです) |
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では心臓移植のオペを開始致します! ガレージジャッキ2台あれば楽勝ですが、怪我には細心の注意が必要ですぞ |
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こんなカンジであっけなく載っちゃいます。一人で出来ちゃうから気楽でいいよね~ (安易に真似しないように!!) |
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配線等を接続して、順番に効率よく作業を進めます。特に下になる部分は怪我の無きように (しつこい?) |
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マフラー類も付いて、キャブをつける前にオイルを循環させます。 ツインキャブだとなかなか手が入らないもんで… |
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そしてキャブを付けて、エンジンを始動します! かかったら各部の調整をしてしばらく暖めます |
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例の遮熱板もボディーに干渉すること無く収まってくれました。いやぁ良かった良かった。 |
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調整等が一通り済んだらエアクリ等を組んで出来上がり~♪ 後は試運転をしつつ煮詰めて行きましょう |
T-1の場合横のスペースが狭い為に、 事前にキャブのミクスチャースクリュー等をある程度合わせておきましょう。 |
ジワリジワリとオイル漏れをしやがったので、 シールテープ(白い部分)を巻いて補強しました。 |
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ココもあえてシーラント塗らずに組んだ部分なのでオイルの滴が… もうチョット走ってからオイル交換時に何とかしますわ |
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と言う事で試運転の毎日です。なかなかいいカンジで乗り易く扱い易いですよ~♪ | |
とりあえず試運転(3000rpm以内)完了。 走行距離は62.5マイル(100km)オイル漏れ以外は問題ないっすね♪ |
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と言う事で初回は早めのオイル交換です。 初期磨耗したメタル粉等があるのと、異常の有無をチェック! |
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で、オイル交換とあわせてココも改善修理♪何処が変わったか解るかな? 更にこの後、純正風の袋ナットに変更しております。ちゃんと意味があるのですよ |
まだまだ試運転も50kmチョットですが(2006/10/18現在)徐々に慣らしつつ、高回転まで回してみます。
まだ3000rpm以下をキープしてますから!(本当はブン回したいんだけどね)
前回のエンジンのスペックと排気量が100ccほどUPしただけなので、大きな変化も無くセッティングも容易でした。
一番の悩みどころのキャブも勘が見事に当たり?初期設定値ですんなりOKでしたからね
ジェット類も前回のまんま 怖いくらいですわ
今のところ始動もスムーズだしアイドリングも恐ろしいほど安定(700rpmくらい)
排ガスはまだ測ってないけど臭くは無いから大丈夫かな?
結果はまた気が向けばレポートします 気が向けばね…
排ガス値はその後同時点火システムの導入や、キャブセッティング・ジェッティングの更なる追及により
劇的に良好値を叩き出しております!現代車並みですよ~(アイドル時)
ある程度は慣らし走行も行なったので、そろそろ回転上げて行きます♪
オイル漏れもほぼ問題なしですが、唯一泣き所の部位からジワリジワリと…
また対策を練らないといけません。まあ楽しい悩みでもありますけどね
その後、泣き所の処理は解決済みです
更にその後、マフラーは車検対応なスペシャルマフラーに変更しております
秋田県秋田市 Birth1974.2.22
自動車整備士
空冷暦は軽~く25年OVER
酒飲み部隊所属
LET'SPLAYVWsvol29にエッセイで登場(STREET VWsでもちょっとだけ…)
今現在の愛車ですが、'88メキビーでアイロンテールに変更している事からirontail88と言うHNになりました。
(注:'88でアイロンテールは正式には存在致しません。バケアイロンです。)
ヤフオクirontail88で細々と出品中