irontail88の空冷VWネタ

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私irontail88が空冷VWを整備・改造等をした際の記録です。

車検対策(と言っても誤魔化しではありません!!)inspection


車検、つまり24(12)ヶ月定期点検整備及び継続検査の総称な訳ですが、安全に公道を走れるように自動車の様々な部分の状態を点検・修理をして、最後に適正に動作するかどうかの検査をし、それに合格をしてはじめて車検通過となるわけです。(使用過程車における継続検査時)
走る・曲がる・止まるの基本的な部分のチェックはもちろんの事、その車が適正な使用用途で登録されているか、使用過程において登録内容に変更が無いか、そういった面でもチェックを受けています。
日々進化をしている自動車ですが、エアコンやナビゲーション等の快適装備だけが進化しているわけではありません。ましてや現代車のように、際立った衝突安全装置類のみが研究されているわけでもありません。もちろん低燃費やハイブリッドなどのエコロジーな進化もしているわけではありますが、実は目立たな~い部分で、地味~に、昔から進化しているんです。

たとえば空冷VWの場合で解り易い所と言えば、
シートがローバックからヘッドレスト付きになりましたよね!(追突時のムチ打ちの予防・軽減の為)
シートベルトも皆無だった頃から、現代では後席も3点式ですよね!(もちろん衝突時の人員の保護の為)
ダッシュも鉄板剥き出しからダッシュパッドで覆われるようになりましたよね!(衝突時の人員への衝撃の緩和)
窓ガラスも年々大きくなりましたし、(安全な視界の確保の為)
テールレンズに代表される灯火装置も拡大していますよね!(他の交通機関からの視認性の向上の為)

そういった改良は全て 道路運送車両の保安基準 と言う法律に則って行われています。つまり車検時にはこの保安基準に違反していないか?と言うのが最大の検査項目なんです。でもこれがまた細かいんだよねぇ~(汗)
そんな保安基準に絡めながら、検査時によく引っかかりそうな項目をピックアップしてみました。
でも実際にはとても細かい検査基準があったり、適合年式があったりするのであくまでも参考程度にして下さい。
不安な場合や正確にお知りになりたい場合は、お住まいの地域の陸運局(自動車検査独立行政法人)や、振興会(日本自動車整備振興会連合会)等にお問い合わせ下さいませ。

以下に示した項目は実際に継続検査で合格をもらったものではありますが、お車の状況や検査の方法、検査官の見解の違い等で左右される場合があります。ですので、ここに示してある方法で100%検査に合格することを約束するものではありません。あくまでも一つの方法、一つの参考例としてご覧になって頂けると幸いです。m(__)m

なかでも、長さ・幅・高さに関係してくる項目と言うと…

ボディーの隙間

バンパーの端部等で、通行人の被服等を引っ掛ける恐れのある物(構造)は駄目だし、車体との隙間は20mm以内である事が条件です。
バンパーステーを緩ませてバンパ-を車体側に押し込めて20mm以内に収まればいいのですが、収まりきらない場合はそこそこな強度のある物でバンパーを延長させてしまうか、フェンダーと合体させてしまいましょう。
実際に当時のヤナセオプションではフェンダーにネジ止めでゴムを装着させて隙間ゼロにしてましたからね(ーー;)


frontbumpergapイメージ

ちなみに平成18年の検査時は、リアの隙間を指摘されて修正致しましたが、フロントは問題無いと言われました。でも平成20年の検査時はフロントも隙間20mm以内でないと駄目と言われ…(ーー;)
余談ですが、バンパーを押し込めて極端に車両の長さが変わる場合は、車検証の記載変更をしなければいけない場合もあります。また、バンパーレスにしてある場合は車検証に記載の寸法と相違するのも駄目ですが、ナンバーやマフラー等の突起がNGになる場合もあります。
更にナーフバーやTバーバンパーなんて、公道で使っちゃイケナイ代表格バンパーですからね!!


roadclearance

ノーマル車高な車両でしたら特に気にする項目ではありませんが、ローダウンしてある場合は要注意です!そう、最低地上高です。
測定方法や条件はいくつかありますが(計算式アリ)、概ね9cm以上ある事が絶対条件ですね。(オーバーハングの多い車の場合等は9cmでは足りない場合があります)
好みにもよりますが、適度に低くて(見た目)乗り易い(実用的)9cm~10cm位が私のオススメです♪


Protrude

あと、よく不合格になるのが、いわゆるハミ出しタイヤですね。
車体の外形その他自動車の形状は、鋭い突起を有し、又は回転部分が突出する等他の交通の安全を妨げる恐れのあるものでない事。と保安基準で謳われている様に、タイヤ等がフェンダーより1mmでも出たら駄目なんです。車軸中心から前方30°後方50°の範囲内でフェンダーより内側にあればOKです(直進状態)。
よくモールなんかを貼って簡易的に誤魔化す場合が見受けられますが、基本的に全ての項目でテープで貼ったり・針金で縛ったり・すぐに取り外せるような手法での補修はNGです!
場合によっては、車幅が変わって小型車の枠を超えてしまい普通車扱いにされる事もありますので・・・

そう言えばタイヤ関連と言う事でアルミホイールに関してですが、キチンとした規格をパスした証の JW マークが無いと不合格です。(稀に純正アルミホイールで、純正のマークがあればOKという場合もアリ)
貨物に関しては JW-T マークが必要です。もちろん鉄ホイールの場合はこの手のマークは不要です。
よくあるのが、センターラインホイールとかEMPI8スポークタイプホイールとかが刻印ナシってのが多いです。
あと、いいサイズが無いせいかフロントに125SR15とかを履かせている場合が良くありますが、タイヤの許容過重不足と言う事でNGになるかもしれませんよ~(軸重によって変わってきます)

室内に関しての項目と言えば…


speedmetervoltmeter

まずスピードメーターの表示がマイル表示のみだとNGです。キロ表示が無い場合は画像のように書くなり貼るなりしましょう。もちろんすぐに消えてしまうようでは駄目です。あと、操作装置等の表示や各インジケーターの表示も年式によっては必要です。(警告灯の表示に関しては後日別ページに追記アリ)


サイドブレーキ警告灯スイッチワーニングランプ

更に、年式にもよりますがサイドブレーキの警告灯も必要です。壊れているor外されている等の場合は、修理/新設等をする必要があります。ちなみにブレーキオイルが無くなったりした時の警告も必要で、警告灯はサイドブレーキと兼ねてもOKです。空冷VWの場合は液面検出式ではなく前後の差圧式です。(高年式の場合)


ウインドウフィルム

窓ガラスについてですが、特にレースなどで軽量化を狙っている人でもない限りはノーマルの窓ガラスそのままですよね?一応言いますが、実はJIS規格等の安全基準をパスした正規のガラスでないとNGです。(刻印で容易に確認可能)また、スモークフィルム等を貼る場合、Fガラス・左右Fドアガラス(三角窓含む)にはほとんど貼れないものと思って下さい。左に解りやすい?比較画像をご用意致しましたが、貼ってもいいのはこのくらいが限度です。(コレで基準ギリギリ位)厳密に言うと、フィルム等を貼っても貼ってなくても可視光線透過率が70%を下回るとNGです。現実にはUVカットフィルムくらいしか貼れません。(車両によってはガラスに既に着色されている場合があり、そうすると貼ると自動的に基準を満たさなくなってしまいます。要注意ですよ!!)

(この窓の画像だけはクリックで大きい画像が出ます)


余談ですが、ステアリングを変えてあったりした場合はホーンのマークの表示が無くてNGになりやすいです。国産車だとシフトノブを変えてあったりしてシフトパターンの表示が無くてNGになりやすいですがね。
また、洗浄液噴射装置(ウォッシャー)やデフロスタが取り外されていたりする車両を見かけることがありますが、年式にもよりますが基本的にはNGです!付いていても機能しなかったり・著しく性能が悪いものもNGです。安全な視界を確保する装置ですからね。見た目だけで外しちゃったらイケマセン

シートベルトに関しては、年式によりその種類や必要な数等が細かく規制されています。(二点式・三点式・巻取り式等々)最近の検査では特に後席のシートベルトまで確認されますので、外されていたりするとさあ大変!
シート自体もフロントをバケットシートなどに変更した場合は、後席に乗った人の事故時の衝撃緩和を目的に背もたれの後ろ側にもクッションが付いていないとNGです。もっとも構造変更をして定員2名にしてたら関係無いんでしょうが…
ヘッドレスト(頭部後傾抑止装置)も年式によって必要です!ローバックシートなんかに勝手に変更すると…

灯火装置に関しての項目と言えば…


ikaring

まずは車幅灯(スモールライト)。なかでも良く目立つイカリング!!イカリング自体は特に問題は無いのですが、問題になるのはその灯光の色と面積と視認距離ですね。厳密には取り付け位置も規制があるのですが、ヘッドライトに内臓だから大丈夫でしょう。
車幅灯は白・淡黄色または燈色でその全てが同一で左右対称の位置にある事。更に夜間前方300mの距離から点灯を確認できるもので、その照明部の大きさは15c㎡以上ある事が絶対条件です。と言う事は、丸いリング状でなくても四角でも問題ないんです!
たまに見かけますが、イカリングが白でもともとの車幅灯が燈色で、そのどちらも点灯させているっていうのは絶対NGですからね!!!


Sidemarker

方向指示器(ウインカー)は橙色に光って(灯光の色であって、レンズの色の規制ではない)、その点滅回数は毎分60回以上・120回以下の一定の周期で、方向の指示を表示する方向100m先(車両の両側面のサイドマーカーは30m先)から昼間において点灯(点滅)を確認出来なければなりません。
また、レンズの照明部の面積は20c㎡(サイドは10c㎡)以上必要で、取り付け位置は左右対称でなければなりません。取り付け高さの規制もありますが、ナナメ後方から点灯を確認できるかどうかが重要です。テールレンズの真横1mの位置から見えないとNGです。だから75年以降のFバンパー内にレンズのあるタイプはサイドマーカーが付いているんです。
ちなみにリアウインカーが赤色でもいいのは'72までですね。(適用除外)

あと良く見かけるのがフラッシャー(ウインカー)と前部車幅灯を兼用させていたり、わざとフラッシャーをうっすらと常灯させている車。(いわゆるウイポジ)
そのほとんどが違反ですね。適用除外がある年式だったら問題は無いのですが、今現在の車でしたら上記のようにフラッシャーの点滅が、点滅ではなく光の増減だとNGです。どうしてもそれをやりたいのであれば、フラッシャーが作動した際に前部車幅灯が消灯する構造でないといけません。フラッシャーを作動させた方向だけか、左右とも同時に消灯です。そういう構造の車、ありましたよね?
でも、H18年以降の車は車幅灯の色が白色と定められているので、ウイポジは事実上不可能です!

reflector

自動車の後面には赤色に反射する反射器を備えなければなりません。でも普通はテールレンズに組み込まれているので気にすることは少ないでしょう。
しかし!真っ白なクリアレンズにしちゃった場合はちと問題です。白色だとマズイんです。赤じゃないといけないんです。そういう絡みでクリアレンズが不合格になることも珍しくありません。
また、社外品の中には反射器と呼べないような粗悪な物もありますので(そもそも反射しない!)そういう場合は後付けで反射器を左右対称に取り付けましょう♪取り付け高さや形状等にも規制はありますがね。

反射器がらみでまたまた余談ですが、自動車の灯器類で光る(反射する)色にも規制はあります。
基本的に赤い色はリア専用で、逆に白色はフロント専用です。もちろん例外はあります。
後退灯(バックアップランプ)や番号灯(ライセンスランプ)や室内灯(ルームランプ)等がそれで、リアなのに白く光るでしょ。
フロントなのに赤い反射器や、リアなのに白い反射器はもってのほかです!!
フラッシャーなどと混同する恐れのある、点滅するものや光の増減するランプ等も禁じられています。
意外なところで、セキュリティー等の赤いインジケーターランプがエンジン停止時以外でも光っていて、フロントから見えるとNGです。
反射するようなテープや塗料等で、リアに白色やフロントに赤色も駄目なんです。細かいんです。
でもこの細かい規制のお陰で、我々は安全に自動車を運行・道路上を歩行出来るんです♪

更に良く再検査(不合格)になってしまうのが、LED球使用による光の拡散不足と光量不足ですね。
どういう事かと言いますと、各灯火装置にはその光る部分の最低の大きさというものが決められているんです。(照明部の大きさ)
例えば、前述してあるフロントのフラッシャーが20c㎡以上なければいけないのに対して、レンズ自体は30c㎡あってもあまり拡散しないLED球を使ったが為に実際に光る部分が15c㎡しかないとNGになるんです。暗い時に見るとレンズ全面が光っているように見えても、明るい時に見て中心部しか光っていないっていうのが駄目なんです。特にフラッシャーとかは明るい日中でも確実に見えてくれないと困りますからね。
更に、照明部の面積が良くてもその明るさが足りなくてもやはりNGです。
だから、どうせLED化するんならこれでもかと言わんばかりにLEDを敷き詰めて、明るくするのが最良の方法だと思っています。(後退灯の様に明るすぎてもNGになってしまう場合もありますが…)


原動機や動力伝達装置に関しての項目と言えば…

先ず基本は、始動が著しく困難なものや著しい異音や振動が多いものや回転の上昇が円滑でないものはNGです。当たり前ですね(笑)
更にエアクリーナーが取り外されていたり(たまに居ますよね~)オイル漏れや冷却水漏れ等があるものもNGです。
変速機の操作に著しいガタがあっても駄目だし…と、基本的な項目がおかしくなっている物はやはり論外という事です。

実際の検査時には原動機の型式を車検証に記載されているものと照らし合わせて確認されます。
オイルや汚れで見えなくなっている場合はしっかりと掃除しておきましょう♪
下回りのチェック時も洗浄しておくのは大前提のマナーですが、コレは大丈夫ですよね^^;


Catalyst

空冷VWは基本的には触媒は使わずに排気ガス対策に適応してまいりました。でも年々厳しくなる基準に対応しきれず(キャブでは限界がある)インジェクションタイプのエンジンからは触媒付きのマフラーが絶対必要になりました。
更に元々新車時からキャブレター式であっても、年式によっては触媒は必要なんです。
簡単に言うと、正規輸入をしていたドイツビートル(キャブ)は触媒ナシでオッケー。ドイツ生産打ち切り後、正規輸入が終わってブラジルやメキシコから輸入し始めた頃から触媒が必要。そう思って頂いて間違いないかと思います。
正式な機関でガスレポートを出してもらって、合格すれば触媒無くてもいいみたいですが…

ちなみに、ドイツビートルのインジェクションとメキシコビートルのインジェクションではマフラーに互換性は残念ながらありません。そもそもの横幅が違うし、接続方法も違うんです。
ヒートEXチェンジャーが全然違うでしょ?メキビーはキャブ車のヒートEXチェンジャーがそのまま使えるのに対して、ドイツ物は完全に専用品です。何故そうなったのかは?ですが。(恐らく、排気効率と触媒が増えた事によるスペースの問題。)
あ、基本的に排気ガスの基準値をクリアーしていても、社外マフラーの場合は排気騒音のチェックも受けますので、基準値を超えてしまうようなうるさいマフラーはNGです。(同時に最低地上高も注意!!)
刻印入りの純正品だと、漏れがない限りほとんどノープロブレムで検査通過ですよ~^^;


Engineroom

そう言えば忘れていました!
ツインキャブ・ハイカム・ハイリフトロッカーアーム・ビッグバルブなシリンダーヘッド・カウンターウエイトクランクシャフト・同時点火装置やフルorセミトランジスター点火装置・イリヂウムプラグ等々。その機能が損傷しておらず、排気ガス検査でも問題がなければ特に不合格になる事はありません。
元々インジェクション車で車両の型式の頭がA-やE-等の車両で(型式不明なメキビも含む)キャブレター仕様に変えた場合は、恐らく不合格になると思います。触媒も必要な型式ですし、排気ガスの基準等で厳しいのでは?と思われます。(アイドリング時のみならず、全走行パターンでの排気ガス検査が必要になるはずですので)


その他…

陸運局持込の継続検査時に、特に指摘はされなかった項目は以下の通りです。


エンジンマウントのソリッド化
(規制は無い?模様です^^;)
フロント強化スタビライザー
(取付がしっかりしていたので問題無かったのでは?)
リアへのスタビライザー追加
(取付がしっかりしていて、最低地上高に問題が無かったからかと…)
フロントのディスクブレーキ化(純正品使用)
(純正品ですので問題はあるはずも無く^^;)
リアのディスクブレーキ化(社外品使用)
(これも取付がしっかりしていたし、良~く効いたからかな?)
大容量マスターシリンダー化
(取付・機能がしっかりしているから…)
社外メーターへの換装
(取付がしっかりしていて、速度の表示と総走行距離が問題なければ…)
シフトレバーの交換
(シフトパターン表示があり、正常に機能して運転操作に支障が無ければ…)
パワーウインドウ化(国産純正キット流用)
(機能に問題が無ければ、流用だけど純正品だし…)
ヘッドライトのHID化(5000K~6000K)
(投光の色と明るさと光軸の向きと取り付けががきちんとしていれば…)

おまけ

以下には、良く再検査(不合格)になりやすい項目を書いておきます。実に基本的な項目なんですがねぇ(ーー;)


タイロッドエンドのガタ及びブーツ破れ
ラックブーツの破れ(ストラット車)
ボールジョイントのガタ及びブーツ破れ(BJ車)
キングピン・リンクピンのガタ(KP車)
アクスルシャフトブーツの破れ及びオイル漏れ(SA車)
ドライブシャフトブーツの破れ及びグリス漏れ(IRS車
リアアクスルハブシールからのオイル漏れ及びそれによる制動力の不足・左右差
ブレーキホイールシリンダーからのオイル漏れによる制動力の不足・左右差
フロントアクスルハブベアリングのガタ・引っかかり
ブレーキホースの劣化によるひび割れ
タイヤのひび割れ及び残り溝の不足
エンジン・ミッション等のオイル漏れ
タイヤサイズ変更に伴うスピードメーター指示値のズレ
思わぬところで、発炎筒等の非常信号用具の不備